舞台芸術としての狂言という副題が付いている舞台。
狂言師の野村万作&萬斎親子が古典と新作の両方を上演。
場所は能楽堂ではなく一般の劇場というのも新鮮。
私が拝見した日は「語り」に重きを置いたプログラムでした。
「柑子」「那須与一語」「悟浄出世」の3作品。

まず「柑子」は太郎冠者が主人から預かっていた大切な土産物を食べてしまうお話。
柑子がまるで生きて話をする人のように表現してみせる。
食べてしまった言訳を狂言らしいエスプリを聞かせて笑わせてくれる。
でも、良く考えると太郎冠者ってご主人様に対して「ありえない」事をしちゃう図太さも持ち合わせてるのよね。

「那須与一語」は能の「八島」の間狂言の特殊演出。
那須与一が扇の的を射た、平家物語の中の八島合戦の有名な場面を状況描写を交えながら、与市・義経・実基の3人を一人で演じ分ける舞台。
今回は人間国宝の野村万作さんの気迫のこもった舞台を拝見。
出てきただけで舞台の空気が変わってしまうぐらいの方。
今回のテーマの「語り」に相応しい作品でした。

最後の「悟浄出世」は中島敦さんの原作。
朗読劇の形式を取り、台本を持ったまま演じるスタイル。
中島敦といえば「死ぬために生きる」という有名な言葉を吐いた人。
西遊記に出てくる沙悟浄(カッパね)が、何事にも「何故?」と疑い、そして「我とは何か?」という疑問に悩み続けるというお話。
中島作品はちょっと哲学的。
彼自身が死ぬまで「我とは何か?」と問うていたようなので、作品の中の沙悟浄は彼の姿を重ね合わせた者なのかもしれないなぁと感じました。

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やっぱり古典が好きっ!
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